マーケティングオートメーションが注目を集めてから、日本国内の企業でも導入が進んでいます。
最近では価格もかなりリーズナブルな製品も出てきており、大企業だけでなく、中小企業でもその導入がはじまっています。
予約システム導入の場面においても、
「予約者のデータをマーケティングオートメーション(MAツール)と連携したい」
という要望をいただく機会が増えてきたので、あらためてMAツールとの連携と活用場面について考えてみます。
目次
マーケティングオートメーションとは?
マーケティングオートメーションは、マーケティングプロセスを自動化するための仕組みやプラットフォームを指します。
製品のターゲット層や提供ベンダーの考え方によって提供される機能や重みは違いますが、主要な機能として、
- メール配信
- フォーム作成
- スコアリング
- リード管理
- キャンペーン管理
- マーケティング分析
はどのツールでも提供されます。
予約をマーケティングオートメーションに活用できる場面とは?
マーケティングオートメーションでは、リードジェネレーション(新規顧客獲得)からリードナーチャリング(見込み顧客育成)をひとつのツールで一元管理します。
見込み客との接点をデータベース化し、スコアリングをおこない、定義されたシナリオにもとづいて、適切なアクションを自動的におこないます。
予約システムで発生する見込み客の接点は、以下のような場面が考えられますが、この見込み客との接点をMAツールでリードとして管理することになります。
<発生する見込み客の接点>
2.セミナーやメールマガジンから個別相談会を予約
例えば、1.の場合、インターネット広告や媒体を通じて自社のWebサイトに新規見込み客を誘導後、セミナーという訴求力の高い別の施策に誘導します。
セミナーの中でも興味・関心を喚起する目的のセミナーAと、購入欲求に訴えかけるセミナーBに分かれている場合、参加するセミナーによって次のアクションが異なります。
セミナーA→興味・関心を喚起するセミナー1
セミナーB→購入欲求に訴えかけるセミナー
セミナーC→興味・関心を喚起するセミナー2
個別相談会→購入のための個別相談をおこなう場
<セミナーAを予約した人には…>
<セミナーBを予約した人には…>
新規見込み客へのセミナーC、または個別相談会の案内は、MAツールによって自動的にメールで案内が送られ、その開封結果や参加申し込みの有無などの情報が新たなマーケティングデータとして蓄積されることになります。
<個別相談会に参加した人には…>
さらに、個別相談会を予約、参加した人には営業担当者が電話アプローチし、クロージングをおこないます。
上記のような流れで、異なるプロセスでリードナーチャリングを進めながら、受注、顧客の維持、売上の拡大につなげていきます。
もちろんインターネット広告や媒体の種類や費用もMAツールで管理することができるので、ひとつひとつの施策のコストパフォーマンスの分析、検証をおこないながら、スコアリングやシナリオを見直す必要があることは言うまでもありません。
マーケティングオートメーションが有効に機能する業種や製品・サービスは何か?
予約において、マーケティングオートメーションが有効に機能する場面、業種について考えてみます。
予約から成約にいたるまでのプロセスが短い製品やサービス、業種の場合、プロセスの自動化やスコアリング、リード管理する必要性が低く、広告やプロモーションに予算を投じた方が効果的なケースもあります。
それに対し、BtoB向けで予約から成約にいたるまでのプロセスが長く、導入までに多角的に比較検討したり、理解を深める必要がある製品やサービスの場合は、リード管理にかかる手間や時間を削減し、効果を出しやすい傾向があります。
向いている 単価の高いBtoC、BtoB製品、サービス
富裕層向け金融サービス
ITソリューション
自動車
マーケティングオートメーションを連携させる
予約システムをマーケティングオートメーションと連携する場合、ほとんどのMAツールで外部システムと連携するためのAPIやパラメータが用意されているため、連携自体はそれほど難しくはありません。
見込み客の情報はMAツールで管理することになるため、予約システムで登録された予約者の情報や、予約データをMAツール側に渡すことになります。
また、インターネット広告や外部媒体などの流入経路情報やコンバージョンを計測し、MAツール側で分析する場合は、その情報を予約システムで保持し、MAツールに引き渡す必要があります。
いずれも運用のなかで見込み客情報をどのように管理するか、MAツールに引き渡す以外にどんなデータのやり取りが発生するかを細かく定義し、それぞれのシステムに必要な改修をおこなう必要があるので、それに対応できる製品の選定と技術力があるベンダーを選定しておくべきでしょう。
まとめ
今回はマーケティングオートメーションとの連携について紹介させていただきました。自社のマーケティング戦略で予約データをリードとして活用できる場合は、ぜひ連携を検討されてはいかがでしょうか?